遠くが見える喜びを

現在近視の方々は基本、ある日を境に突然、一気に視力が低下した訳ではありません。幼い頃メガネやコンタクトレンズなる存在自体を意識しなかった頃、自身の目で捉える風景の見え方に疑問や不安は抱いてはいませんでした。最初に視力なる測定基準を漠然と知るのはおそらく、幼稚園入園もしくは小学校入学に際しての視力検査でしょう。測定値~ご両親が近視傾向に初めて気づかれる、あるいは授業中に黒板が何となく見辛いなど、自覚症状を覚えた際には既に、近視は一定以上進行しており、この時点でメガネデビューという流れが一般的です。

すなわち近視の方々は、メガネ無しで鮮明な世界、周囲の健常な視力を有する人達がごく当たり前に見ている世界を捉える事が出来ぬまま、それでも日々僅かずつ低下する視力に気づかぬまま「こんなものだろう」と現状を疑い無く受け入れられています。だからこそコンタクトレンズを初めて装着から、例えば離れた鏡に映った素顔の自分自身の姿に驚き戸惑い、更には訳も無く照れ臭さをも覚えるのです。メガネ無しで確かめる鮮明な世の中の風景達、そして知人友人や見知らぬ方々の顔や容姿、そして何よりメガネ無しの自身の姿はいずれも「感動」を携えていて当然です。コンタクトレンズが届けてくれる、見える喜びが私達の世界を更に広げ、錆びつきかけていた感性を研ぎ澄ませてくれます。